オリジナル小説

第二話:お茶会と、不器用な仕返し

クラリスと「明日、また会う」という約束を交わした翌日。エリアンは、人生(竜生)で初めて「待ち遠しくて夜も眠れない」という経験をしていた。日の出とともに飛び起き、人間に擬態した彼は、約束の時間の実に3時間前にはクラリスの家の見える丘に到着して...
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第一話:君の隣に降り立つために

数百年を生きる誇り高き銀竜の生き残り、エリアン。人間を「弱く儚い生き物」と見下していたはずの彼が今、人里離れた山の岩陰で、必死にある「術」を行使しようとしていた。巨大な翼を畳み、天を突くような巨体を、ぐっと凝縮していく。おぞましいほどの魔力...
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放課後ハプニング!

外はバケツをひっくり返したような土砂降りの雨だった。薄暗くなった放課後の2年B組の教室には、プリントの整理という不運な居残り仕事を押し付けられた二人の高校生――陣内和馬(じんない かずま)と、クラス委員長の白雪遥(しらゆき はるか)だけが残...
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春風と共に ~最悪の出会いと騒がしい日々~

大学二年生の吉澤悠斗は、自分の人生にドラマなど必要ないと思っていた。朝はギリギリまで寝て、講義に滑り込み、友人と適当にだべり、単位を落とさない程度に勉強する。そんな平凡な大学生活を送るはずだった。少なくとも、その日の朝までは。「やばっ、遅刻...
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幼馴染は油断ならない

春の朝は穏やかなはずだった。少なくとも、俺――相沢悠真はそう信じていた。だが、その平穏は玄関のドアが勢いよく開いた瞬間に吹き飛ぶ。「悠真ー! 遅刻するよ!」聞き慣れた声と共に飛び込んできたのは、幼馴染の朝比奈美咲だった。美咲とは家が隣同士で...
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不純な動機、純粋な恋

春の雨が降っていた。放課後の昇降口で、彼は傘を忘れたことに気づいた。「最悪だ……」誰に聞かせるでもなく呟いた声は、雨音にかき消される。彼――二年生の朝倉悠真は、しばらく空を見上げていたが、やがて小さくため息をついた。そのときだった。「使う?...
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冬の灯

港町に初雪が降った日、彼女は古びた時計店の扉を押した。潮風にさらされた看板は文字も薄れ、店先には誰も足を止めない。それでも店の奥では、無数の時計が規則正しく時を刻んでいた。カウンターの向こうにいた青年は顔を上げると、少し驚いたように目を見開...
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消えゆく境界

彼は少女に繋いだ糸から、工房に興味が向くように仕向けた。工房へ少女が現れたのは、それから数日後のことだった。朝から降り続いていた雨がようやく止み、濡れた石畳が鈍く光っている。彼は作業机に向かい、人形の指先を削っていた。扉を叩く音が響く。来客...
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壊れゆく物

彼は若くして国に認められた稀代の人形師だった。木と糸と布に人間と見紛う命を吹き込むその技は神業とまで称され、多くの貴族や王侯が彼の作品を求めた。名声も富も、誰もが羨む未来も、すべて彼の手の中にあった。そして何より、彼には将来を誓い合った女性...