人形師の夢【完結】

オリジナル小説

消えゆく境界

彼は少女に繋いだ糸から、工房に興味が向くように仕向けた。工房へ少女が現れたのは、それから数日後のことだった。朝から降り続いていた雨がようやく止み、濡れた石畳が鈍く光っている。彼は作業机に向かい、人形の指先を削っていた。扉を叩く音が響く。来客...
オリジナル小説

壊れゆく物

彼は若くして国に認められた稀代の人形師だった。木と糸と布に人間と見紛う命を吹き込むその技は神業とまで称され、多くの貴族や王侯が彼の作品を求めた。名声も富も、誰もが羨む未来も、すべて彼の手の中にあった。そして何より、彼には将来を誓い合った女性...